2015年に、グラクソ・スミスクライン社の新薬「ザガーロ」の効果における承認取得がなされたことが知られていますが、この薬はＡＧＡ（男性型脱毛症）の治療薬として、大きな効果が期待できるとされています。これまでの、AGA治療薬といえば、フィナステリドやミノキシジルが主流とされていましたが、このザガーロは、前者同様、男性の前立腺肥大症の治療薬として開発されたのがきっかけで開発され、その効果は、前立腺肥大症を引き起こす可能性があるジヒドロテストステロン（DHT）の濃度を下げると同時に、ＡＧＡを効果的に防止することが明らかになっています。ＡＧＡや前立腺肥大の原因となる、DHTですが、簡単に言えば、一種の強力な男性ホルモンのようなもので、骨格・筋肉の成長や、精子生成量の増加にかかわるTH（テストステロン）が、5αリダクターゼという還元酵素と結びついて、誕生するものと言われています。この5αリクダーゼという物質は、Ⅰ型とⅡ型の2種類が存在することが分かっており、米メルク社が開発した抗アンドロゲン薬「プロペシア」は、このⅡ型のみを阻害する効果を持ち合わせていましたが、グラクソ・スミスクライン社が開発したザガーロという薬は、Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害するという画期的な効果を発揮する為、ＡＧＡに悩む男性にとっては救世主のような存在となっています。
ザガーロは、開発ののち、様々な臨床実験などが繰り返され、2016年に発売となったばかりの最も新たなAGA治療薬とされていますが、その扱いや副作用などについては、しっかりと把握しておく必要があります。カプセルタイプの服用型として販売されており、食事の影響は受けずに服用可能なものの、副作用にはED、性欲減退（リピドー減退）、精液量減少などがあり、初期症状としては、一時的な初期脱毛があること、輸血ができないなどの注意点があることを考慮しなければなりません。プロペシアを使用して、ＡＧＡに顕著な改善が見られなかった方などは、服用によって、発毛が期待され、ミノキシジルとの併用により、より高い効果を発揮する可能性がある一方で、プロペシアとの併用は一般的ではないとされています。臨床実験などにおいては、連続12週で服用した結果、発毛が確認されたということもありますが、効果が確認できるまでは、通常連続6カ月の服用が必要で、それでもはっきりとした効果が現れない場合は、医師に相談した方が賢明で、AGA治療を開始して、1か月頃には、「初期症状」と言って、一時的な脱毛が起こることがありますが、これは、薬の効果が発揮されている証拠と考えられるので、心配することはありません。
本薬は、ＡＧＡ、つまり男性の脱毛症にのみ効果を発揮する治療薬とされており、女性は服用したも効果がないばかりか、副作用などが現れる場合があり、通常、カプセルタイプなので、中身が外に漏れることはありませんが、万が一、中身などが漏れ、妊娠中の女性が触れてしまうと、男性胎児の生殖器官に影響を及ぼしてしまうケースが報告されており、男性脱毛症には、素晴らしい効果を発揮する薬ですが、女性や小児には触れさせない、薬を触ったらきちんと石鹸で洗い流す、子作り期間中は、服用をしないなど、取扱いには十分に注意することが大切です。本薬は、通販・個人輸入代行等では販売されておらず、通常、ＡＧＡ治療を専門とするクリニックなどで、医師の判断などに基づいて処方してもらうのが一般的となっており、闇ルートや個人ルートで手に入れたものは、偽造品などが混入する場合も考えられますので、まずは、クリニックなどに相談してみることをおすすめします。